
出産や育児で仕事を離れたママ薬剤師のみなさん、復職に不安を感じていませんか?
「ブランクが長すぎる…」「子育てと両立できるかな…」そんな悩みはとても自然なことです。でも、実は薬剤師は復職しやすい職業なんです。
この記事では、ママ薬剤師の復職に関する不安や準備のポイント、おすすめの職場までご紹介します。この記事を読むと、ブランクからの復帰方法がわかります。


- 男の子2人を育てる30代ママ薬剤師
- 夫との結婚を機に転職し年収UP
- 育児と仕事の両立に疲れパートへ切り替え
- ゆるくのんびり働きたい
ママ薬剤師の復職が難しいと感じる2つ理由


薬剤師としてまた働きたいけれど、「今の状況で本当に大丈夫かな…」と不安を感じているママは多いはず。
ここでは、ママ薬剤師が復職に際して感じやすい2つの不安要素について考えてみます。
子育てと仕事の両立が難しい
薬剤師の仕事は、患者さんの命に関わる責任の重い仕事。その一方で、子育ては予期せぬことの連続です。保育園からの急な呼び出しや子どもの体調不良で、シフトの穴を空けてしまうのではないか、という不安は切実です。
特に調剤薬局では日祝日の出勤もあり、シフト制での勤務が基本。保育園の送迎時間との調整や、子どもの行事への参加など、時間的な制約に悩む方も少なくありません。
出産・育休でブランクがあって復帰が怖い


薬剤・薬学の知識は日進月歩。新薬の発売や薬価改定、調剤報酬改定など、たとえ数年のブランクでも「浦島太郎」状態になってしまうことも。「勉強し直す時間がない」「今さら質問するのは恥ずかしい」と、復職への一歩を踏み出せない方も多いようです。
また、電子薬歴やオンライン服薬指導など、システムの進化も著しい分野。「昔と違う業務についていけるだろうか」という技術面での不安も、復職をためらう大きな理由となっているようです。
ママ薬剤師の復職は難しい?


出産や育児で仕事を離れていると、「もう薬剤師として働くのは難しいかも…」と不安になりますよね。でも、実は薬剤師は他の職種と比べて復職のしやすい仕事なんです。その理由を詳しく見てみましょう。
ブランクがあっても復職は可能です
「ブランクが長すぎて…」と悩んでいる方!薬剤師は資格職なので、一度取得した資格は一生もの。これが復職の大きな強みとなります。そして基本的に調剤業務の変化は多くはありません。
実は、薬剤師の約6割は女性。出産や育児を経験する方が多いため、職場の理解も深く、ママ薬剤師のための研修制度や時短勤務を導入している職場も増えています。育児をしながら働き続けているママ薬剤師も多いんですよ。
参照元:厚生労働省「令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」
確かに報酬改定は2年毎にあるし、「久しぶりすぎて薬の知識が…」「最新の医療制度についていけるかな」という不安は誰もが感じるもの。でも、そんな気持ちは自然なことです。年齢は関係ありません。きっかけがあれば、一歩を踏み出す勇気を持ってみませんか?
ママ薬剤師が復職する際のポイント5選!


さて、復職に向けて具体的に何を準備したらいいのでしょうか。
ここからは、実際に復職を果たしたママ薬剤師の経験をもとに、成功のポイントを5つご紹介します。
➀譲れない勤務条件は決めておく
復職する前に、自分にとって譲れない条件をはっきりさせておくことが大切です。保育園のお迎え時間に間に合う勤務時間、土日祝日の休み、残業なし、職場までの通勤時間など、家庭との両立に必要な条件を書き出してみましょう。
面接の際にこれらの条件を伝えることで、ミスマッチを防げます。特に子どもの急な発熱や行事への対応について、職場の理解が得られるかどうかは重要なポイント。最初から条件をクリアにしておくと、長く働き続けられる環境が見つかりやすくなります。
②ブランクをコンプレックスにしない


育児でのブランクは、決してマイナスではありません。子育て経験は、患者さんへの共感力を高め、特に小児への服薬指導に活かせる貴重な経験です。また、時間管理能力や優先順位をつける力も自然と身についていませんか。
「知識をアップデートしていない…」という不安は誰にでもありますが、それは復職してから少しずつ取り戻せばいいのです。むしろ、子育てで培った「人としての成長」を自信に変えていきましょう。職場も、そんなママ薬剤師の強みを理解してくれているはずです。
③子育てに理解ある職場を探す


保育園の送り迎えや子どもの急な病気など、ママならではの事情が発生するのは当たり前。そんな時に「周りに迷惑をかけてしまう…」と悩まなくていい職場を選びましょう。
求人情報では「子育て中の方歓迎」「ブランク歓迎」「時短勤務可能」「急なお休み対応可」などの文言をチェックしましょう。面接時には、実際に子育て中の薬剤師がいるか、急な早退や休みへの対応はどうしているかなど、具体的に確認することが大切です。
育児介護休業法に基づいて、3歳未満の子どもを育てている間の短時間勤務制度の導入が義務化されています。企業によってはさらに手厚い制度を創設している場合もあるでしょう。希望する職場が見つかったら、詳細を確認しましょう。
④復職前の情報収集をしっかり行う


転職サイトやハローワークはもちろん、薬剤師専門の求人サイトも要チェック。薬剤師専門の転職エージェントは、ママ薬剤師の復職に特化したサポートをしてくれることも。勤務条件の交渉や面接対策まで、手厚いサポートを無料で受けられます。
また、地域の薬剤師会や同じママ薬剤師からのクチコミ情報が聞ける交流会、SNSグループなどの情報も確認しましょう。実際の職場の雰囲気や働きやすさは、人から聞くのが一番。情報収集を丁寧に行うことで、理想の職場に出会える可能性が高まりますよ。
都道府県薬剤師会によっては、復職支援のための研修プログラムを提供している場合もあります。知識のブラッシュアップに不安がある場合は、これらの研修を受けることで自信をつけられます。
参照元:鹿児島大学病院薬剤部「薬剤師(復職支援プログラム)」
薬剤師会によっては、eラーニングによる研修会を実施している場合もあります。今後、このような研修会は増えることが予想できますので、アンテナを敏感にしておきましょう。
参照元:岐阜県薬剤師会「未就業・育児休業薬剤師のための就職・復職研修会の開催案内」
⑤パートや時短勤務でゆるく働いてみる
いきなりフルタイムで働くのはハードルが高いと感じる方は、まずはパートタイムや時短勤務からスタートするのがおすすめです。週2~3日から始めて、子どもの生活リズムや自分の体力と相談しながら、徐々に日数や時間を増やしていけば無理なく復職できます。
また、パートから始めると職場の雰囲気や仕事内容を確認しながら、自分に合っているかどうかを見極められます。焦らず、自分のペースで一歩ずつ前に進みましょう。
ブランクのあるママ薬剤師の復職におすすめの職場3選!


薬剤師として復職を考えるとき、どんな職場を選べばいいのでしょうか。働き方の特徴や子育てとの両立のしやすさは職場によって異なります。
いずれの職場でも、面接などの際には、時短勤務の上限期間、有給休暇の取得状況など、ママ薬剤師の働きやすさを示す情報を積極的に質問してみましょう。
それでは、それぞれの特徴を見てみましょう。
➀調剤薬局


ママ薬剤師の復職先として、最も人気が高いのが調剤薬局です。シフト制を採用している職場が多く、時短勤務やパートタイムなど、柔軟な働き方を選べるのが特徴。特に複数の薬剤師が勤務する薬局では、急な休みにも対応しやすい環境が整っています。
また、近年は在宅業務の需要も増えており、患者さんとじっくり向き合える業務も。ブランクがある方でも、先輩薬剤師のサポートを受けながら、徐々に業務に慣れていける職場が多いのも魅力です。
出店形式は、総合病院門前や面薬局などさまざまですが、立地よりも薬剤師数やヘルプ要員の有無などの職場環境に注目しましょう。家庭重視で働きたい場合には、処方箋の枚数や内容、対応診療科目に着目し、忙しすぎないところを選ぶ方法もあります。
求人応募前のワンポイントアドバイス
求人に応募する際は、以下の点を確認しましょう。
- 繁忙時間帯と保育園の送迎時間(自分が働きたくない時間など)が重ならないか
- 土日のシフトはどうなっているのか
②ドラックストア


OTC医薬品を中心とした業務なので、調剤業務への不安が大きい方にもおすすめです。接客や商品管理が中心で、患者さんの症状に合わせた市販薬販売のアドバイスがメインの仕事です。子育て中のお客様も多いので、自身の子育て経験を活かせる場面も多いでしょう。
大手チェーン店では福利厚生が充実していることも。また、店舗によっては調剤併設のところもあり、ゆくゆくは調剤業務にもチャレンジできます。繁忙期以外は比較的落ち着いた雰囲気で働けるのも、ブランクのある方には心強いポイントです。
求人応募前のワンポイントアドバイス
求人に応募する際は、以下の点を確認しましょう。
- 店舗の営業時間と勤務時間
- 繁忙期の出勤体制
③病院


病院薬剤部は、土日祝日が基本的に休みで、勤務時間も規則的。子どもの送迎があっても、スケジュールが立てやすいのが魅力です。また、大規模な病院では子育て制度が整っていることも多く、長期的なキャリアプランを描きやすい環境です。
チーム医療の一員として、医師や看護師と連携しながら働けますが、病院によっては当直や夜勤が必要な場合もあります。大学病院や高度急性期病院など高度医療を提供している病院は避けた方がいいでしょう。
そうでない場合にも、面接時に勤務条件をしっかり確認しましょう。日勤のみの外来調剤から始められる病院もあるので、要チェックです。
求人応募前のワンポイントアドバイス
求人に応募する際は、以下の点を確認しましょう。
- 外来調剤だけでなく、病棟業務や当直・夜勤の有無
- 夜勤時の保育サポート体制(院内保育で夜勤保育士がいる場合もある)
まとめ|難しくない!怖くない!ママ薬剤師の復職はできます


ママ薬剤師の復職は、決して難しくありません。
子育て中だからこそ身についた経験や能力を活かして、むしろ成長した自分を見せるチャンス。まずは自分に合った働き方から始めて、少しずつステップアップしていけばいいのです。
たくさんのママ薬剤師が復職を実現させています。あなたも、第一歩を踏み出してみませんか?